アロマ現地見学と蒸留体験

「Odai」アロマ商品を販売してくださっているパートナーのかたに、アロマ製造の現場を体感していただく機会を…ということで、アロマ見学会を開催しました。

「Odai」アロマ商品の背景を体感していただき、これからの販売に役立てていただくことが目的です。

●広葉樹の植栽地

最初に、広葉樹の植栽地をご案内しました。

あまり手入れされていないスギの人工林の隣に、自然な感じで木が茂っている一角があります。

こちらが、10年ほど前から広葉樹の植栽を始めた場所です。

(この場所の植栽当時のようすが、こちら)(植栽から6年後

広葉樹の植栽地

近づいてみると、網で囲われた場所の内側に、所せましといろいろな樹木が生い茂っているのがわかります。
こちらの囲いが、パッチディフェンス、鹿よけの柵です。

広葉樹の森

あふれんばかりのイタヤカエデ。
よく見ると、葉っぱの先端がちぎれているところも。
鹿の届くところは、かじられたような様子。

2、30年前なら、伐採後に放置した土地にも雑木の種が落ちて、自然と、実生の樹々の森が育っていったかもしれません。
しかし、植物を食べ、木の皮をはぐ鹿が増え、獣害が深刻となってしまった今日では、自然に森が育っていくことはできません。

イタヤカエデ

青々と茂るイタヤカエデたち。
パッチディフェンスの内側は、鹿に食まれることのない、樹々の楽園です。

イタヤカエデ

イタヤカエデ

広葉樹をまじえた自然配植による植栽では、5年、10年、50年、100年…後の森を想像し、森を形成していく過程で、いろいろな役割をもった樹々を配置していきます。

こうして10年を経た森をながめて、その景観を、植生を、発育状況を観察して、
また、次の新しい植栽へとフィードバックして、活かしていきます。

広葉樹

「Odai」の広葉樹アロマの商品を語るとき、
広葉樹をまじえた植栽への取組みを知っていただくことが、とても大切だと考えています。

旧宮川村地域では、13年前の災害のとき、豪雨による河川の氾濫によって
川沿いのスギヒノキの人工林は根こそぎ流されてしまいました。

この跡地へ、自然の立地を考慮して始めたのが、
大台町という多様な樹木を育んできた土地での、広葉樹をまじえた森づくりへの取組みです。

(宮川森林組合の取組みについての過去記事は、こちら

広葉樹

どういう思いで、どういう森を作りたいのか。
その森が、人間の経済活動や生活環境に、どのようにかかわっていくことを想定して植えるのか…。

植栽地が森に育っていくためには、10年、20年、50年と時間が必要です。
森が育っていく間も、一部の広葉樹を収穫して、商品として販売していくことができたなら、広葉樹の森づくりが、森林を中心とした経済活動の一環として、しっかりと定着していくのだろうと思います。

●地域性苗木

広葉樹の森づくりをしていくのに欠かせないのが、大台町の樹木から採種した種から育てた地域性苗木です。

遺伝的にも、大台町の風土にあった、多種多様な樹木の苗木を、大台町苗木協議会のみなさんが育ててくださっています。

苗畑

見学会では、協議会会長の苗畑を見学させていただきました。
たくさんの苗木が、1つ1つポットにはいった状態で育てられています。

苗畑

苗畑

すぐに発芽するもの、3年ほどで発芽するものなど、発芽して、生育していくまでの時間はさまざまです。
樹木の種子は、自分が運ばれていった場所で、効率よく生育していくためにできているのでしょう。

地域性苗木

地域性苗木

いろんな広葉樹の苗木がぐんぐん生長しています。

地域性苗木

広葉樹にまじってモミも発芽していました。

山の土やもみ殻、ピートモスなどで、しっかりと土づくりをして、栽培します。
夏の水やりや草取り、冬には霜で苗が浮いてしまうのを防いだりと、いろいろと手間をかけて育てられていきます。

地域性苗木

ナナカマド

地域性苗木

育った苗木は、植栽して山に還していきますが、あまり大きく成長しないもの、枝ぶりが特徴的なものは、「実生栽」として販売しています。

(実生栽は、伊勢内宮前の伊勢路栽苑で販売しております)

こちらが実生栽を集めたコーナーです。

実生栽

●アロマ蒸留

植栽地、苗畑と見学した後は、アロマの蒸留所へ。
蒸留用ではないですが、商品につかうための枝がきれいにまとめられています。

広葉樹の枝

水蒸気蒸留法の説明です。
たくさんの材料から、ていねいに時間をかけて、わずかな精油を抽出している様子を見学していただきました。

アロマ蒸留

最後に、エッセンシャルオイルとアロマウォーターを使ったスプレー作りの体験をしました。

アロマスプレー

森林組合がなぜ、広葉樹アロマ商品を製造して販売しているのか、
広葉樹の森づくりからお伝えすることができた見学会になったかと思います。

★★★

植栽現地やアロマ蒸留の見学につきましては、有料にてご案内しております。
くわしくは、宮川森林組合までお問い合わせください。

タムシバ採取

今日は、花のころは過ぎ、新緑のやわらかな若葉がしっかりとした葉へと成長したタムシバを、採取しにいきます。

宮川森林組合の広葉樹アロマは、枝葉を合わせた状態で蒸留しますので、
4月から、葉が落ちる11月にかけて、こうして、材料を採取しては蒸留するプロセスを繰り返します。
(タムシバの場合、アロマの蒸留をしない部分は、燻製チップの材料にします。)

高度が高めの場所を好むタムシバは、自然林の斜面に生育しています。

スギ・ヒノキの人工林とは異なり、タムシバ、クロモジ、カナクギノキといった広葉樹は、他の樹木にまじって混沌とした自然林(いわゆる雑木林)に生育していますので、他の樹木としっかり見分けながら、ときには周囲の木を整理して光の通り道を切り開きながら、枝葉を採取します。

タムシバ

すっくとそびえるタムシバ。
10メートルほどに成長している場合もあります。

クロモジは群生していることがありますが、タムシバは密集せず、点在して生育します。

春の初め、花のころ、山の斜面を見上げると白い花がぽつぽつと見えることがありますが、あれが、タムシバだったりコブシだったりします。
(コブシとタムシバのわずかな違いは葉のつき方です。)

花のころに場所の見当をつけておいて、葉の時期に採取しにいきます。

タムシバ

タムシバ

細長いしっかりとした葉がびっしり。

採取する場合は、来年以降のことを考えていくつかの枝を残しながら、風通しをよくするように、切っていきます。

切ったばかりの枝や葉からは、ほんのりの甘い香りがします。
噛むと甘い香りがするので「カムシバ」と呼ばれ、それが転じて「タムシバ」となった、、、というのもうなずけます。

タムシバ

採取した枝葉は、蒸留しやすい長さに剪定して、じっくり時間をかけて抽出した後、タムシバ精油となり、みなさまのもとへ旅だっていきます。

(忙しい採取の合間に写真を撮っていただきました。ありがとうございました!)

クロモジ Lindera umbellata

クスノキ科クロモジ属(★落葉低木)
学名:Lindera umbellata

春先に黄緑色の花が咲き、花言葉は「誠実で控えめ」
優雅でリラックスする香り。

(精油)
カルボン、リナロール、リモネン

(芳香蒸留水)
ゲラニオール、ジヒドロカルボン、
テルピネン4オール、リナロール

・リナロールはラベンダー精油の主成分です。
・ゲラニオールはパルマローザ精油の主成分。
ローズやゼラニウムにも含まれています。
・リモネンには鎮静作用があるとされます。
・カルボンはスペアミントの主成分です。

<期待される効能>
鎮静、血行促進、殺菌、免疫賦活、防虫、抗炎症

<成分表>
クロモジ精油の成分表はこちら

<エッセンシャルオイル>
クロモジのエッセンシャルオイルは、こちら

タムシバ Magnolia salicifolia

モクレン科モクレン属(★落葉高木)
学名:Magnolia salicifolia

コブシに似た白い花が咲き、ニオイコブシとも呼ばれます。
コブシの花言葉は「自然な愛情」
甘く華やかでリフレッシュする香り。

(精油)
シトラール、リモネン
(芳香蒸留水)
シトラール、シオネール、
テルピネオール、テルピネン4オール

・シトラールはレモングラス精油などの主成分。
気分を明るく高揚させ、同時に鎮静化してくれます。
・シオネールはユーカリの木に多い成分です。
・干した蕾は「辛夷(シンイ)」として
鼻炎や蓄膿の漢方薬に使われてきました。

<期待される効能>
抗菌、抗不安、皮膚弾力回復

<成分表>
タムシバ精油の成分表はこちら

<エッセンシャルオイル>
タムシバのエッセンシャルオイルは、こちら

ヒノキ Chamaecyparis obtusa

ヒノキ科ヒノキ属 (★常緑高木)
学名:Chamaecyparis obtusa

語源は「火の木」とも。花言葉は「意思の強い人」
優しく落ち着いた木の香り。

(精油)
βフェランドレン、酢酸テルピニル
(芳香蒸留水)
テルピネン4オール

・テルピネン4オールはティートリーの主成分のひとつ。
森の香り(フィトンチッド)といわれる物質でもあります。
・酢酸テルピニルは香料として食品添加物に
指定されている成分です。
・日本では、昔から、ヒノキの木そのものの香りに
親しんできました。
アロマ成分としても、消臭や抗菌作用が期待されています。

<期待される効能>
抗菌、消臭、防虫、血行促進

<成分表>
ヒノキ精油の成分表はこちら

<エッセンシャルオイル>
ヒノキのエッセンシャルオイルは、こちら

カナクギノキ Lindera erythrocarpa

クスノキ科クロモジ属 (★落葉高木)
学名:Lindera erythrocarpa

「ナツコガ」とも。
春に淡黄色の花が咲きます。
秋には赤い実をつけます。甘く優雅な香り。
ローズウッドに似た香り。

 

(精油)
 ネロール、ネロリドール
(芳香蒸留水)
 シトラール、シネオール、テルピネオール、
 テルピネン4オール

・ネロールはゲラニオールとともに、
 ローズの香り成分です。
 女性ホルモンのバランスを整える作用があると
 いわれます。
・ネロリドールは、 ビターオレンジの花からとれる
 精油「ネロリ」の特徴成分。
「ネロリ」は優雅な香りで鎮静効果も高く、
 高価な精油として有名です。

<期待される効能>
 気力増強、抗菌、鎮痛、疥癬予防、
 ホルモンバランスを整える

<成分表>
 カナクギノキ精油の成分表はこちら

伊勢丹新宿店にて(森の彩)

●森の彩からodaiへ

「森の彩(もりのいろ)」としてご紹介してまいりました、奥伊勢、三重県大台町のアロマ商品は、4月からリニューアルさせていただきます。

●静かに美しく過ごすということ

年末から年始にかけては、モデルの松本孝美さんのお気に入りをご紹介するというイベントで、伊勢丹新宿店でご紹介いただくきました。

伊勢丹新宿店

松本孝美さん

森の彩

●HERS掲載

イベントの告知のため、HERS2017年1月号に掲載していただきました。

 雑誌「HERS」のご紹介

HERS

HERS