今日は、花のころは過ぎ、新緑のやわらかな若葉がしっかりとした葉へと成長したタムシバを、採取しにいきます。
宮川森林組合の広葉樹アロマは、枝葉を合わせた状態で蒸留しますので、
4月から、葉が落ちる11月にかけて、こうして、材料を採取しては蒸留するプロセスを繰り返します。
(タムシバの場合、アロマの蒸留をしない部分は、燻製チップの材料にします。)
高度が高めの場所を好むタムシバは、自然林の斜面に生育しています。
スギ・ヒノキの人工林とは異なり、タムシバ、クロモジ、カナクギノキといった広葉樹は、他の樹木にまじって混沌とした自然林(いわゆる雑木林)に生育していますので、他の樹木としっかり見分けながら、ときには周囲の木を整理して光の通り道を切り開きながら、枝葉を採取します。
すっくとそびえるタムシバ。
10メートルほどに成長している場合もあります。
クロモジは群生していることがありますが、タムシバは密集せず、点在して生育します。
春の初め、花のころ、山の斜面を見上げると白い花がぽつぽつと見えることがありますが、あれが、タムシバだったりコブシだったりします。
(コブシとタムシバのわずかな違いは葉のつき方です。)
花のころに場所の見当をつけておいて、葉の時期に採取しにいきます。
細長いしっかりとした葉がびっしり。
採取する場合は、来年以降のことを考えていくつかの枝を残しながら、風通しをよくするように、切っていきます。
切ったばかりの枝や葉からは、ほんのりの甘い香りがします。
噛むと甘い香りがするので「カムシバ」と呼ばれ、それが転じて「タムシバ」となった、、、というのもうなずけます。
採取した枝葉は、蒸留しやすい長さに剪定して、じっくり時間をかけて抽出した後、タムシバ精油となり、みなさまのもとへ旅だっていきます。
(忙しい採取の合間に写真を撮っていただきました。ありがとうございました!)